「歯並びを整えたいけれど、セラミック矯正とマウスピース矯正のどちらを選べばいいのかわからない」と悩んでいる方もいるかと思います。どちらも見た目の改善を目指す治療ではありますが、歯に対するアプローチがまったく異なるため、仕上がりや費用、治療期間に大きな差が出ます。
この記事では、セラミック矯正とマウスピース矯正の違いを費用・期間・審美性・痛み・適応範囲の5つの観点から比較し、どのような方にどちらの治療が向いているのかを詳しく解説します。治療を選ぶうえで見落としがちなポイントにも触れていますので、後悔のない判断材料としてお役立てください。
根本的な「治療の目的」が異なる

セラミック矯正とマウスピース矯正を比べるとき、多くの方が費用や治療期間だけに注目しがちです。しかし、両者を正しく比較するためにはまず「そもそも治療の仕組みが違う」という前提を理解しておく必要があります。
セラミック矯正とは
セラミック矯正は、対象の歯を削り、そこにセラミック製の被せ物(クラウン)を装着して歯の見た目を整える治療法です。歯そのものを動かすわけではなく、被せ物によって色・形・角度を変えることで、短期間に審美的な改善を図ります。
例えば、家のリフォームで壁紙や外装を変えるようなイメージに近いでしょう。建物の構造自体は変えずに、見た目だけを美しく仕上げる方法です。治療期間は一般的に1か月から3か月ほどで、通院回数も少なく済む傾向にあります。
ただし、健康な歯であっても削る必要がある場合もあります。歯は一度削ると元に戻すことができないため、将来的にセラミックの再製作やメンテナンスが必要になる可能性を考慮しておくべきでしょう。
マウスピース矯正とは
マウスピース矯正は、透明な樹脂製のマウスピース(アライナー)を段階的に交換しながら、歯に持続的な力を加えて少しずつ動かしていく治療法です。インビザラインやホワイトラインなど複数のブランドがあり、それぞれ特徴が異なります。
セラミック矯正が「見た目を被せ物で変える」のに対し、マウスピース矯正は「歯根ごと理想の位置に移動させる」治療です。歯を削ることなく噛み合わせも含めた改善を目指せる一方で、治療期間は数か月から2年程度かかるケースが一般的といえます。
装置が透明で目立ちにくいため、接客業や営業職など見た目を重視する方にも選ばれています。取り外しが可能なので食事や歯磨きの際に不便を感じにくい反面、1日20時間以上の装着が求められるため、自己管理能力が問われる治療法でもあります。
5つの観点で比較するセラミック矯正とマウスピース矯正

ここからは治療選びで特に重視されることの多い5つのポイントに沿って、セラミック矯正とマウスピース矯正を具体的に比較していきます。
費用の比較
セラミック矯正の費用は、1本あたり5万円から20万円程度が相場です。前歯4本から6本を治療するケースが多いため、総額では30万円から100万円前後になることが一般的でしょう。使用する素材によっても金額は変動し、オールセラミックやジルコニアセラミックは審美性が高い分、ハイブリッドセラミックに比べて費用が上がります。
一方、マウスピース矯正の費用は、部分矯正で10万円から40万円、全体矯正で60万円から120万円程度が目安になります。「セラミック矯正のほうが安い」と思われがちですが、セラミックには将来的な再製作費用やメンテナンスコストが発生する可能性があるため、長期的なトータルコストで比較することが重要です。
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比較項目 |
セラミック矯正 |
マウスピース矯正 |
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費用の目安(総額) |
30万円~100万円程度 |
10万円~120万円程度 |
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将来のメンテナンス費用 |
あり(再製作が必要になる場合がある) |
リテーナー費用のみ |
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保険適用 |
なし(自由診療) |
なし(自由診療) |
治療期間の比較
セラミック矯正の治療期間は、最短で2週間ほど、通常は1か月から3か月程度です。歯を削って型を取り、セラミックの被せ物を装着するという工程がシンプルなため、短期間での見た目改善を求める方には大きな魅力となります。結婚式や就職活動など、明確な期日に合わせたい場合に選ばれることも多い治療法です。
マウスピース矯正の場合、軽度の歯並びの乱れであれば3か月から6か月、中程度から重度の症例では1年から2年ほどの期間を要します。歯を生体の反応を利用してゆっくり動かすため、時間はかかりますが、歯や歯周組織への負担は比較的穏やかです。
では、治療期間が短いセラミック矯正が一概に優れているのかというと、そう単純ではありません。注意したいのが「治療が終わった後」の話です。マウスピース矯正は治療完了後にリテーナー(保定装置)の使用が求められますが、歯並びそのものが改善されているため、適切に保定すれば長期的に安定した状態を保てます。セラミック矯正は治療後の後戻りはないものの、セラミック自体に10年から20年程度の寿命があり、将来的な作り替えが視野に入ってくる点を理解しておきましょう。
審美性と仕上がりの比較
審美性は、セラミック矯正が特に強みを発揮する領域です。歯の色・形・大きさ・角度をすべてオーダーメイドで調整できるため、理想通りの見た目を実現しやすいのが特徴といえます。変色した歯や、形が不揃いな歯も、セラミックの被せ物によって統一感のある見た目に仕上げることが可能です。
マウスピース矯正は歯並び(歯列)の改善が主な目的であり、歯の色や形を変えることはできません。ただし、自分自身の天然歯を活かした自然な仕上がりになるという点では、マウスピース矯正ならではの良さがあります。歯を削らないため、エナメル質の透明感や質感がそのまま残るのは大きなメリットでしょう。
「白さ」も求める方には、マウスピース矯正とホワイトニングを併用するという方法もあります。矯正で歯並びを整えた後にホワイトニングを行えば、天然歯の美しさを最大限に引き出すことが期待できます。博多ステラ歯科・矯正歯科でもホワイトニングに対応していますので、矯正と合わせてご検討いただけます。
痛みや身体への負担の比較
セラミック矯正では歯を大きく削る工程があるため、場合によっては歯の神経を抜く処置(抜髄)が必要になることがあります。神経を抜いた歯は将来的に脆くなりやすく、歯根にトラブルが生じるリスクも高まるため、この点は十分に理解しておきたいところです。
近年では「なるべく神経を残す」ことを重視する歯科医院も増えていますが、歯の傾きや位置によっては避けられないケースも存在します。治療中の痛みについては麻酔で管理されるため強い痛みを感じることは少ないものの、歯を削ること自体が不可逆的な処置である点は念頭に置いておくべきでしょう。
マウスピース矯正の場合、新しいアライナーに交換した直後に歯が締め付けられるような違和感や軽い痛みを感じることがあります。ただし、ワイヤー矯正に比べると痛みの程度は穏やかで、数日で収まるケースがほとんどです。健康な歯を削る必要がないため、歯質を温存できるという点で身体への負担は小さいといえます。
対応できる症例範囲の比較
セラミック矯正は、前歯の軽度な歯並びの乱れや、すきっ歯、変色歯などの審美的な問題に適しています。一方で、奥歯を含む全体的な噛み合わせの改善や、重度の叢生(歯が重なり合っている状態)には対応が難しいケースがほとんどです。
マウスピース矯正は、軽度から中程度の歯並びの乱れに幅広く対応できます。出っ歯や受け口、八重歯などさまざまな症例に適応しており、近年は技術の進歩によって対応範囲が広がっています。ただし、骨格的な問題を伴う重度の不正咬合や、歯の大きな移動が必要なケースでは、ワイヤー矯正のほうが適していることもあるでしょう。
それぞれの適応範囲を表にまとめると、以下のようになります。
|
症例 |
セラミック矯正 |
マウスピース矯正 |
|
軽度の前歯の乱れ |
◎ |
◎ |
|
すきっ歯 |
◎ |
◎ |
|
八重歯 |
△(軽度のみ) |
〇 |
|
出っ歯 |
△(軽度のみ) |
〇 |
|
全体的な噛み合わせの改善 |
✖ |
〇 |
|
歯の変色・形の改善 |
◎ |
✖ |
セラミック矯正とマウスピース矯正の併用という選択肢

セラミック矯正とマウスピース矯正は「どちらか一方」だけでなく、併用するという選択肢もあります。
例えば、まずマウスピース矯正で大まかな歯並びを整えた後、前歯の色味や形をセラミックで仕上げるという方法です。歯並びと審美性の両方を高いレベルで追求したい方にとっては、有効なアプローチになり得ます。
ただし、併用治療は治療計画の立案に高い専門性が求められます。セラミックを先に入れてからマウスピース矯正を行う場合、セラミックの歯にはアタッチメント(マウスピースを固定するための突起物)が接着しにくいといった技術的な制約もあるためです。併用を検討する際は、両方の治療に精通した歯科医院を選ぶことが欠かせません。
後悔しない治療選びのために確認すべき3つのポイント

セラミック矯正とマウスピース矯正のどちらを選ぶにせよ、後悔のない治療を実現するために確認しておきたいポイントがあります。
1つ目
自分が「何を最も優先するのか」を明確にすることです。治療期間の短さを重視するのか、天然歯を残すことを大切にするのか、費用を抑えたいのか。優先順位が明確になれば、おのずと選ぶべき治療法は見えてきます。
2つ目
複数の歯科医院でカウンセリングを受けることです。同じ歯並びの悩みでも、医院によって提案される治療法は異なります。特にセラミック矯正は不可逆的な処置を伴うため、複数の意見を比較検討することが大切でしょう。
3つ目
治療後のメンテナンスや費用まで含めた「トータルの見通し」を持つことです。セラミック矯正は治療自体は短期間で済みますが、10年後・20年後の再製作を想定しておく必要があります。マウスピース矯正は治療期間が長い反面、天然歯を温存できるため、長期的にはメンテナンスの負担が軽い傾向にあります。
どちらの治療法にも明確なメリットとデメリットがあります。大切なのは、目先の結果だけでなく、5年後・10年後の口腔環境をイメージしたうえで判断することです。
矯正の相談は博多ステラ歯科・矯正歯科へ
セラミック矯正とマウスピース矯正は、どちらも歯の見た目を改善するための有力な治療法ですが、その仕組みや適応範囲はまったく異なります。ご自身に合った治療法を選ぶためには、歯並びの状態や生活スタイル、将来的なビジョンを踏まえた総合的な判断が求められます。
博多ステラ歯科・矯正歯科では、セラミック治療とマウスピース矯正(インビザライン・ホワイトライン)の両方に対応しており、患者様お一人おひとりの歯の状態やご希望に合わせた治療プランをご提案しています。マウスピース矯正については、口腔内3DスキャナーiTero(アイテロ)を使用した精密な診断を行い、治療のシミュレーションを事前にご確認いただくことも可能です。
インビザランエクスプレスなら327,800円からスタートでき、インビザラインについても複数のプランをご用意しています。土日祝日も19時まで診療を行っており、お仕事で平日の通院が難しい方にもご利用いただきやすい環境です。矯正の初診相談は無料ですので、「自分にはどちらの治療が合うのか」が気になる方は、お気軽にご相談ください。









